2008/11/18掲載
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食事の支度(貧しい家庭)(Apprêts du repas, ou Pauvre famille) 1761-65年頃 47×61cm | 油彩・画布 | プーシキン美術館(モスクワ) 関連:メトロポリタン美術館所蔵 『負けた罰に(盗まれた接吻)』
子供たちに指示をする母親の姿。有名な『負けた罰に(盗まれた接吻)』と対画関係にあると考えられている本作は、炉の前で食事の支度をおこなう貧しい一家の母親とそれを手伝う子供たちの情景を描いた典型的な風俗画作品である。
【子供たちに指示をする母親の姿】 赤々とした炉の炎によって熱せられた鍋。画家が30歳前後に描かれたと推測される本作の登場人物の個性と性格性豊かな風俗的表現は若きフラゴナールの類稀な画才を見事に示しており、そこからは後の巨匠の片鱗さえ感じることができる。
【炉の炎によって熱せられた鍋】 食事の支度を手伝う子供たち。画面左側に配される三人の子供たちは母親の指示に従うかのように赤々とした炉の炎によって熱せられた鍋の中へ具材を投入しているが、その姿は多少、炎に怯えているようにも見える。
【食事の支度を手伝う子供たち】 |