2009/03/09掲載
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聖具泥棒(Furto sacrilego) 1731年寸法不明 | 油彩・画布 | 大司教美術館(ミラノ)
逃げ惑う盗人(泥棒)たち。画面下部に描き込まれる梯子を担ぎながら逃げ惑う泥棒たちと、松明などを手にする無数の骸骨たちが入り乱れるように争う姿は、否が応にも観る者をこの異様な世界へと引き込むのである。
【逃げ惑う盗人(泥棒)たち】
泥棒を追い払う骸骨の姿。盗人や骸骨の力強さと危うさを同時に感じさせる肉体(人体)描写や誇張気味の運動性、松明の弱々しい光によって暗闇の中に浮かび上がる各構成要素の幻覚的な表現は、マニャスコの絵画作品の特徴をよく示している。
【泥棒を追い払う骸骨の姿】
天上から骸骨を指揮する聖母マリア。本作は、1731年1月6日にサンタ・マリア・カンポモルト聖堂へ泥棒が押し入り、典礼等で使用されていた同聖堂の聖具を盗み出そうと試みるが、聖母マリアが天上から現れ、周囲の墓地に埋葬される死者(骸骨)を指揮し泥棒を追い払ったとする犯罪と奇跡的出来事である。
【天上から骸骨を指揮する聖母マリア】 |