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アレッサンドロ・マニャスコ Alessandro Magnasco
1667-1749 | イタリア | 18世紀ジェノヴァ
18世紀に活躍したイタリアの画家。流々とした筆触による劇的な場面表現や、深く沈み込むような明暗対比による感情性の描写などを用いた幻想性漂う奇想な作風で一世を風靡。特に廃墟的かつ荒涼とした場面で描かれる風刺画(風俗画)や宗教画は当時の知識人たちの高い支持を得た。1667年、凡庸なジェノヴァの画家であったステファノ・マニャスコの息子として生を受け、父より絵画の基礎を学ぶ。その後、ミラノに移り同地の画家フィリッポ・アッビアーティの工房で修行時代を過ごす。1703年から1706年までフィレンツェに滞在し、同時期にフィレンツェへ滞在していた
セバスティアーノ・リッチと出会い大きな影響を受ける。その後、ミラノで数多くの作品を手がけるが、晩年期となる1735年からは故郷ジェノヴァへと戻り同地で制作活動を続ける。1749年、生地であるジェノヴァで死去。マニャスコの幻惑的かつ特異な作風や風刺的精神はフランチェスコ・グアルディなどに影響を与えたことが知られている。