2008/07/23掲載
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ポンパドゥール夫人の肖像(マダム・ド・ポンパドゥール)(Portrait de Mme Pompadour) 1755年 175×128cm | パステル・紙 | ルーヴル美術館素描室 やや憂いを帯びながらも凛とした意思と志の高さを感じさせる夫人の表情。この表情はポンパドゥール夫人が当時置かれていた状況への複雑な心情を反映したものであり、本作のような対象の人物の内面にまで迫った真実性に満ちた表情の描写こそ、ラ・トゥールの肖像表現中核のひとつである。
【意思と志の高さを感じさせる表情】 パステル独特の軽快な質感による輝きを帯びたドレスの表現。ポンパドゥール侯爵夫人は平民階級出身ながら、当時のフランス国王ルイ15世の公妾(公式の愛妾)の地位まで登りつめた女性で、数多くの画家が侯爵夫人の肖像画を制作しているが、本作はその最も代表的な作品と位置付けられている。
【輝きを帯びたドレスの表現】 学問や高い教養を意味する地球儀や書物。ポンパドゥール侯爵夫人が手にする楽譜や画面左側(夫人の座る椅子の奥)に配される楽器は音楽を、画面右側の豪華な机の上に描かれる地球儀や『法の精神』第三巻、『百科事典』第四巻など当時の最先端の知識を詰め込んだ書物は学問、高い教養を、その下のデッサンは芸術を意味している。
【学問や教養を意味する地球儀や書物】 |