Description of a work (作品の解説)
2009/06/27掲載
Work figure (作品図)
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刑場に曳かれる聖ヤコブ(聖ヤコブの殉教)


(Sant Jacopo condotto al martirio) 1722年
165×138cm | 油彩・画布 | サン・エスタ聖堂(ヴェネツィア)

18世紀ヴェネツィア派の画家ジョヴァンニ・バティスタ・ピアツェッタ初期の代表作『刑場に曳かれる聖ヤコブ』。ピアツェッタのほか、セバスティアーノ・リッチジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロなど当時の名だたる画家たちが参加した、ヴェネツィアのサン・エスタ聖堂を飾る≪黄金伝説(レゲンダ・アウレア)≫に典拠を得る12聖人連作装飾画のひとつとして制作された本作は、キリスト12使徒の中のひとりで、実弟聖ヨハネ(※ヨハネもキリスト12使徒のひとり)と共に気性の荒さから雷の子(ボアネルゲス)と呼ばれた≪聖ヤコブ(大ヤコブ)≫が、当時のエルサレム王ヘロデ・アグリッパ1世の命により斬首刑が言い渡され処刑場へ連れて行かれる場面を描いた作品である。画面中央から右側には縄で強制的に曳かれながら書物と剣を持ち(※剣は大ヤコブのアトリビュート)、天を仰ぎ見るかのように斜め上へ視線を向ける聖ヤコブが、画面左側には聖ヤコブを処刑場へと連行する筋骨隆々とした処刑人が配されている。聖ヤコブが身に着ける簡素な外套や肌着は連行によって開けており、縄が胸の皮膚へと食い込んでいる。本作が制作された頃のピアツェッタは闇派(テネブロージ)の影響下にあり、本作でも強烈な明暗対比や激しい運動性、劇的な感情性を見出すことのできる描写手法など前時代(バロック様式)に通じるその特徴が良く示されている。


【全体図】
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天へと視線を向ける聖ヤコブ。ヴェネツィアのサン・エスタ聖堂を飾る≪黄金伝説≫に典拠を得る12聖人連作装飾画のひとつとして制作された本作は、キリスト12使徒の中のひとりである≪聖ヤコブ(大ヤコブ)≫が、斬首刑が言い渡され処刑場へ連れて行かれる場面を描いた作品である。



【天へと視線を向ける聖ヤコブ】
聖ヤコブが胸に抱える書物。画面中央から右側には縄で強制的に曳かれながら書物と剣を持ち、天を仰ぎ見るかのように斜め上へ視線を向ける聖ヤコブが、画面左側には聖ヤコブを処刑場へと連行する筋骨隆々とした処刑人が配されている。



【聖ヤコブが胸に抱える書物】
聖ヤコブを連行する処刑人。本作が制作された頃のピアツェッタは闇派の影響下にあり、本作でも強烈な明暗対比や激しい運動性、劇的な感情性を見出すことのできる描写手法など前時代(バロック様式)に通じるその特徴が良く示されている。



【聖ヤコブを連行する処刑人】

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