2007/11/18掲載
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水浴のスザンナ(スザンナと長老たち)(Suzanne au bain (Suzanne et vieillards)) 1704年前 205×145cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
独特な官能性を携えた水浴するスザンナ。1704年に王立絵画・彫刻アカデミーへの正式加入が認められた作品としても知られている本作に描かれるのは、旧約聖書ダニエル記へ補遺的に記される≪スザンナと長老たち≫で、画面中央に大きく描かれた水浴するスザンナの表現は特筆に値する出来栄えである。
【独特な官能性を携えたスザンナ】
柔らかな光源によって浮かび上がる裸体の曲線美。教義的信仰心を感じさせない世俗性、プロポーション的美しさを強調する縦に長い手足や胴体、柔らかな光源によって浮かび上がる裸体の曲線美、スザンナに漂う独特の官能性などは古代彫刻やマニエリスム的な創造を思わせる。
【浮かび上がる裸体の曲線美】
暗中に描かれる2人の長老。スザンナと長老達の間に配される赤い布(欲望の象徴)と、スザンナの裸体を隠す(純潔を象徴する)白い布との対照性は、硬質的な石の浴場とスザンナの柔らかな肢体の形状・素材的な対照性にも通じている。
【暗中に描かれる2人の長老】 |