2008/03/02掲載
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無原罪の御宿り(Immaculate conception) 1767-1769年頃279×152cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド) 関連:ヴィチェンツァ市立美術館所蔵 『無原罪の御宿り』
堂々とした聖母マリアの姿。当時のスペイン王カルロス3世からアランフェスのフランシスコ会サン・パスクアル聖堂の祭壇画の依頼を受け画家が制作した本作に描かれるのは、カトリック信仰(そして聖母マリア信仰)の厚かった当時のスペインで最も人気の高い宗教的主題のひとつ≪無原罪の御宿り≫である。
【堂々とした聖母マリアの姿】
写実的でありながら様式的美しさに溢れる表現。ティエポロはその生涯の中で本主題を数多く手がけているものの、本作は画家の晩年期における独特の様式的特徴が良く表れている作品として特に名高い。
【様式的美しさに溢れる表現】
上弦の月に乗る聖母マリアの御足。本作では聖母マリアの純潔性を表現しながらも、より壮麗で重厚な宗教的威厳と美しさに溢れており、濃密で威風堂々とした色彩描写や、複雑に変化を見せながらも上方へと昇華してゆくかのような計算された構図展開などは特筆に値する出来栄えである。
【上弦の月に乗る聖母マリアの御足】
聖母マリアの頭上に現れた聖霊の姿。本作が制作された当時は新古典主義が勢力を強めており、本作が祭壇に飾られた数年後、バイェウなど他の画家が手がけた作品に置き換えられてしまい長く保管状態が続いた為に、劣化が著しい。
【聖母マリアの頭上に現れた聖霊の姿】 |