Introduction of an artist(アーティスト紹介)
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ジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロ Giovanni Domenico Tiepolo
1727-1804 | イタリア | ロココ美術・ヴェネツィア派




18世紀に活躍したヴェネツィア派の画家。偉大なる父ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの絵画様式を完璧に習得し、軽やかな筆触と明瞭な色彩による作品を数多く手がける。父の最も優れた助手として装飾画や宗教画、神話画制作で遺憾なく筆を振るうが、その才能はむしろ農民・民衆をユーモラスかつ皮肉的に描いた風俗画やカリカチュア、版画などにより示されている。1727年、ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの息子としてヴェネツィアで生を受け、幼い頃から父より絵画を学ぶ。その後、青年期から父が請け負った仕事にも参加するようになりドイツのヴュルツブルクやヴィチェンツァ、ストラ、そしてスペインのマドリッドなど父が受けた極めて重要な注文にも同行するなど、画家としての才能を花開かせる。諸外国の歴訪から帰国後はヴェネツィアで絵画や装飾壁画などの仕事に携わりながら画家としての成功を収めるものの、18世紀後半の新古典主義の到来と共に訪れたロココ期の終焉と同時に、画家の華やかな表現様式も時代にそぐわないものとなった。1804年、ヴェネツィアで死去。

Description of a work (作品の解説)
Work figure (作品図)
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メヌエット(カーニバルの光景)

 (Il minuetto) 1754年
81×111cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

18世紀ヴェネツィア派の重要な画家ジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロの代表作『メヌエット(カーニバルの光景)』。制作の意図や目的など詳細は不明であるが、かつてはヴェネツィアのアルガロッティ伯爵が所蔵していた本作は、謝肉祭(カーニバル)でメヌエット(ロココ時代にフランス宮廷で流行した4分の3拍子の優雅な舞曲)を踊る男女の光景を描いた作品で、本作同様ルーヴル美術館に所蔵される『歯を抜く男』の対画であることも広く知られている。画面中央へはメヌエットを優雅に踊る若い女性が配されており、身に着ける黄色の衣服が画面の中に明るさを齎している。画面左側には若い女性の相手であろう赤い衣服を身に着けた男が片足立ちをしながら腰に手を当て若い女性へと視線を向けている。この男女の周囲へは数多くが取り囲むように配され、それぞれがこの祭りを楽しんでいるかのように自由な仕草を見せる個性的な仮面を身に着けた周囲の人々の配置は、観る者が本カーニバルへ参加しているような錯覚さえ与えている。軽やかな筆致や豊潤かつ明瞭な色彩表現など本作の表現様式としては父ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの手法をほぼ完全に踏襲しているものの、民衆的で世俗性を感じさせる主題そのもの扱いはジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロの気質や絵画的傾向をよく示しており、陽気的で情感溢れる風景の中にも現実味を感じさせる表現には画家の確固たる個性を見出すことができる。なおジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロは本作以外にも同主題の作品を複数手がけていることが知られ、特にバルセロナのカタロニア美術館に所蔵される『メヌエット』が著名である。

関連:対画 『歯を抜く男』
関連:カタロニア美術館所蔵 『メヌエット』

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【全体図】
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Work figure (作品図)


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