Description of a work (作品の解説)
2009/05/06掲載
Work figure (作品図)
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メヌエット(カーニバルの光景)

 (Il minuetto) 1754年
81×111cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

18世紀ヴェネツィア派の重要な画家ジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロの代表作『メヌエット(カーニバルの光景)』。制作の意図や目的など詳細は不明であるが、かつてはヴェネツィアのアルガロッティ伯爵が所蔵していた本作は、謝肉祭(カーニバル)でメヌエット(ロココ時代にフランス宮廷で流行した4分の3拍子の優雅な舞曲)を踊る男女の光景を描いた作品で、本作同様ルーヴル美術館に所蔵される『歯を抜く男』の対画であることも広く知られている。画面中央へはメヌエットを優雅に踊る若い女性が配されており、身に着ける黄色の衣服が画面の中に明るさを齎している。画面左側には若い女性の相手であろう赤い衣服を身に着けた男が片足立ちをしながら腰に手を当て若い女性へと視線を向けている。この男女の周囲へは数多くが取り囲むように配され、それぞれがこの祭りを楽しんでいるかのように自由な仕草を見せる個性的な仮面を身に着けた周囲の人々の配置は、観る者が本カーニバルへ参加しているような錯覚さえ与えている。軽やかな筆致や豊潤かつ明瞭な色彩表現など本作の表現様式としては父ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの手法をほぼ完全に踏襲しているものの、民衆的で世俗性を感じさせる主題そのもの扱いはジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロの気質や絵画的傾向をよく示しており、陽気的で情感溢れる風景の中にも現実味を感じさせる表現には画家の確固たる個性を見出すことができる。なおジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロは本作以外にも同主題の作品を複数手がけていることが知られ、特にバルセロナのカタロニア美術館に所蔵される『メヌエット』が著名である。

関連:対画 『歯を抜く男』
関連:カタロニア美術館所蔵 『メヌエット』


【全体図】
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メヌエットを踊る若い女性。かつてはヴェネツィアのアルガロッティ伯爵が所蔵していた本作は、カーニバルでメヌエット(ロココ時代にフランス宮廷で流行した4分の3拍子の優雅な舞曲)を踊る男女の光景を描いた作品で、本作同様ルーヴル美術館に所蔵される『歯を抜く男』の対画であることも広く知られている。



【メヌエットを踊る若い女性】
パートナーへ視線を向ける若い男。画面中央へはメヌエットを優雅に踊る若い女性が配されており、身に着ける黄色の衣服が画面の中に明るさを齎している。画面左側には若い女性の相手であろう赤い衣服を身に着けた男が片足立ちをしながら腰に手を当て若い女性へと視線を向けている。



【パートナーへ視線を向ける若い男】
カーニバルの光景を眺める人々。軽やかな筆致や豊潤かつ明瞭な色彩表現など本作の表現様式としては父ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの手法をほぼ完全に踏襲しているものの、民衆的で世俗性を感じさせる主題そのもの扱いはジョヴァンニ・ドメニコ・ティエポロの気質や絵画的傾向をよく示している。



【カーニバルの光景を眺める人々】

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