2008/09/04掲載
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スペイン風の読書(Lecture espagnole) 1761年164×129cm | 油彩・画布 | エルミタージュ美術館
腰を下ろし読書する若い男。1761年のサロン出品作でもある本作は、ジョフラン夫人の依頼により制作された作品で、画家が1750年代頃から傾倒し、自身の名声を確立させた古典主義的表現≪大様式≫の特徴が良く表れた典型的な作例のひとつとしても知られている。
【腰を下ろし読書する若い男】
読まれる小説の内容に聞き入る魅惑的な二人の女性。本作に描かれる美しく魅惑的な二人の若い婦人はスペイン風と呼ばれた豪華な立ち襟の付いた演劇的な衣服を着ており、これが本作の名称≪スペイン風の読書≫の由来となっている。
【小説の内容に聞き入る二人の女性】 (おそらく母子と思われる)大人の女性と愛らしい少女。強い光源による明暗対比の明確な表現が用いられているものの、全体としては柔和的で調和性に優れた色彩構成が施されており、これこそ≪大様式≫のひとつの典型的な表現手法なのである。
【大人の女性と愛らしい少女】 |