2008/09/02掲載
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無関心(冷酷な男、気紛れな恋人)(Indifférent) 1717年頃 25.5×18.7cm(原寸) | 油彩・板 | ルーヴル美術館(パリ) 関連:対画 『ラ・フィネット(悪戯好きな小娘)』 軽やかかつ優雅な振る舞いを示す若い男。寸法や表現様式などの観点から、ほぼ異論なくルーヴル美術館に所蔵される『ラ・フィネット(悪戯好きな小娘、デリケートな音楽家)』と対画関係にあると推測されている本作はおそらく≪踊り(舞踏)≫を主題に描かれた作品である。
【軽快で優雅な振る舞いを示す若い男】 見事なアクセントとなる外套の赤褐色。近代を代表するフランスの詩人ポール・クローデルが本作に関して「違う、彼は無関心なのではない。小鹿や小鳥のように踊り絶妙なバランスを取りながら真珠のような輝く色彩を運ぶ、曙(夜明け)の伝令者なのだ。」との言葉を残している。
【見事なアクセントとなる外套の赤褐色】 作品全体を覆う褐色的な黄緑色。全体からはやや幻想的でありながら、どこか鬱蒼とした陰鬱な雰囲気が感じられ、それ故、観る者は本作を単なる≪踊り≫を主題に描いた作品として捉えるのではなく、そこに画家の深遠なる精神性を見出すのである。
【作品全体を覆う褐色的な黄緑色】 |