2010/07/21掲載
■
ミラボーとドルー=ブレゼ(Mirabeau et Dreux-Brézé) 1831年 77×101cm | 油彩・画布 | ニイ・カールスベルク彫刻館 対画:『国民公会のボワシー・ダングラス』 国王の退去命令を伝えるドルー=ブレゼ公爵。対画となる『国民公会のボワシー・ダングラス』と共に7月王政後のルイ・フィリップ政府(オルレアン朝政府)主催の絵画コンクールへ出品されるものの入選には至らなかった本作は、国王の退去命令を伝えるドルゥ=ブレゼ公爵と、それを拒否するミラボー伯爵を描いた作品である。
【退去命令を伝えるドルー=ブレゼ】 国王の退去命令を断固拒否するミラボー伯爵。画面中央より右側に描かれるのは王党派であり第二身分者(=貴族階級者)であるドルー=ブレゼ公爵が玉座を背景に国王の勅命を第三身分者らへ伝達する姿が描かれ、それと対峙するかのように画面左側へは大勢の第三身分者らと共にミラボー伯爵が憮然的かつ断固たる態度で明確な反抗の意思を示している。
【退去命令を断固拒否するミラボー伯爵】 群集と対照的である堅牢な背景。フランス革命においてあまりにも名高い逸話≪球戯場の誓い(テニスコートの誓い)≫直後の民衆の強固な意思と信念の明確な表れである本場面の第三身分者と第二身分者の相容れない張り詰めた緊張感や、第三身分者らの静かに燃え上がる革命(国民議会)への熱い想いが本作からはよく伝わってくる。
【群集と対照的である堅牢な背景】 |