Description of a work (作品の解説)
2010/04/07掲載
Work figure (作品図)
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ポワティエの戦い

 (La Bataille de Poitiers) 1830年
114×146cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

フランス・ロマン主義の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワを代表する歴史的戦争画作品のひとつ『ポワティエの戦い』。ベリー公爵夫人の依頼によって1830年に制作された本作は、フランスの王位継承をめぐって同国とイングランド王国(英国)の間におこった戦争、通称≪百年戦争≫の中のひとつの戦いで、1356年9月19日プランタジネット朝イングランド王エドワード黒太子がフランス・ヴァロワ朝の第2代国王ジャン2世(ジャン善良王)を破り同善良王を捕虜にしたことでイングランド軍勝利の決定的な位置付けともなった≪ポワティエの戦い≫の場面を主題に描かれた作品である。画面中央やや左側の最も明瞭な光の中に描き込まれるジャン善良王は国王らしく黄金の衣服(甲冑)に身を包みながら敗色濃厚な戦いを鼓舞するかのようにフランス軍を指揮している。ジャン善良王の傍らにはエドワード黒太子率いるイングランド軍と果敢に戦う当時14歳のフィリップ2世(フィリップ豪胆公)の姿が描かれている。そして画面右側や画面最前景にはフランス軍へ攻め入るイングランド軍の兵士らが躍動感に溢れる姿で配されている。画面左から対角線となる右下がり的に流れる登場人物の配置や高い運動性、やや強い明暗対比による劇的な場面展開、物語性を感じさせる背景や空の色彩表現、そしてジャン善良王が本作の主役とひと目で理解できるよう、大人数が描かれる本作の中で唯一人、地平線より上に頭部が描かれるなど本作にはドラクロワの様々な表現的施策が明確に示されている。


【全体図】
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フランス軍を指揮するジャン善良王。ベリー公爵夫人の依頼によって1830年に制作された本作は、1356年9月19日プランタジネット朝イングランド王エドワード黒太子がフランス・ヴァロワ朝の第2代国王ジャン2世(ジャン善良王)を破り同善良王を捕虜にしたことでイングランド軍勝利の決定的な位置付けともなった≪ポワティエの戦い≫の場面を主題に描かれた作品である。



【フランス軍を指揮するジャン善良王】
フランス軍へ攻め入るイングランド軍の兵士。画面中央やや左側の最も明瞭な光の中に描き込まれるジャン善良王は国王らしく黄金の衣服(甲冑)に身を包みながら敗色濃厚な戦いを鼓舞するかのようにフランス軍を指揮し、ジャン善良王の傍らにはエドワード黒太子率いるイングランド軍と果敢に戦う当時14歳のフィリップ2世(フィリップ豪胆公)の姿が描かれている。



【攻め入るイングランド軍の兵士】
物語性を感じさせる背景の色彩表現。ジャン善良王が本作の主役とひと目で理解できるよう、大人数が描かれる本作の中で唯一人、地平線より上に頭部が描かれるなど本作にはドラクロワの様々な表現的施策が明確に示されている。



【物語性を感じさせる背景表現】

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