2010/04/06掲載
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バルコニーのマハたち(Majas en el Balcón) 1808-1812年頃 162×107cm | 油彩・画布 | 個人所蔵(スイス) 関連: 『バルコニーのマハとセレスティーナ』 関連:エドゥアール・マネ作 『バルコニー』
魅惑的な視線を向ける娼婦たち。画面中央へ配される2名の≪マハ≫と呼ばれる着飾った女たちは、画面最手前として描かれるバルコニーへ寄り掛かりつつ、魅惑的な視線を観る者(対者)へ向けながら小声で何か話をしている様子である。
【魅惑的な視線を向ける娼婦たち】
バルコニーへ寄り掛かる娼婦の右腕。17世紀オランダやスペインで流行した≪窓辺の女たち≫的主題作品である本作の娼婦らの豊満な肉体美を強調するかのように胸が肌蹴た身に着ける衣服や手にする扇子などから、この両者が娼婦であることを容易に連想することができる。
【バルコニーへ寄り掛かる娼婦の右腕】
怪しげに振り返る斡旋人の男。単純な構図を用いながらも物語性や世俗的社会性を感じさせる作品構成も特に注目すべき点であるが、絵画として本作を観覧した場合、強烈ながら絶妙なバランスを保つ光の明暗対比や、娼婦らが身に着ける衣服による白と黒のコントラストの秀逸さに我々は目を奪われる。
【怪しげに振り返る斡旋人の男】 |