2010/12/06掲載
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サン・イシードロへの巡礼(La romería de San Isidro) 1821-23年頃 140×438cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド) 狂乱的な巡礼者たち。本作はマドリッド出身の農夫であり同街の守護聖人としても知られる≪イシードロ≫が近郊の泉から水を引き旱魃(かんばつ)を回避させたという奇跡を主題とした作品で、対の作品として『魔女の夜宴』が描かれている。
【狂乱的な巡礼者たち】 諦観しながら列を成す民衆。マドリッド市民は毎年5月15日を祝日に制定し、この奇跡に基づき巡礼としてマンサナレス河畔へメリエンダ(ピクニック)をおこなっており、本作に描かれる光景もそれに准じているのではあるが、その印象たるや牧歌的な様子は皆無であり、陰鬱で狂々とした雰囲気が全体を支配している。
【諦観しながら列を成す民衆】 マドリッド市内の展望。本主題はゴヤが若い頃にも手がけているが、画面全体を絶望が覆うかのような暗く鬱蒼とした本作の光景には画家独特で見据えた国内の現状と自己の内面性の幻想化を見出すことができ、観る者を強く惹きつける。
【マドリッド市内の展望】 |