Description of a work (作品の解説)
2010/08/15掲載
Work figure (作品図)
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ルイス・デ・ボルボン親王一家の肖像


(Familia de Infante Don Luis Borbón) 1783年
248×330cm | 油彩・画布 | マニャーニ=ロッカ財団

スペイン・ロマン主義最大の巨匠フランシスコ・デ・ゴヤを代表する集団肖像画作品のひとつ『ルイス・デ・ボルボン親王一家の肖像(ドン・ルイス親王の家族)』。本作はスペイン屈指の美術愛好家としても知られていた当時のスペイン国王カルロス3世の末弟で、アラゴン地方出身の下級貴族の娘マリア・テレサ・バリャブリガと結婚したことから国王に疎まれ宮廷社会から追放された≪ドン・ルイス・デ・ボルボン親王≫一家がアビラ近郊アレーナス・デ・サン・ペドロでの隠遁生活の場面を描いた集団肖像画作品である。画面中央へは髪結師に就寝用の調髪をさせる親王の若き妻マリア・テレサ・バリャブリガが、その傍らにはカード遊びに興じるドン・ルイス親王が配されている。そして彼らの周囲となる画面右側には執事や給仕らが描きこまれているが、その中には当時を代表するイタリアの宮廷音楽家ルイジ・ボッケリーニの姿を確認することができる(画面右から3番目の男)。また画面左側にはドン・ルイス親王の娘で後に宰相マヌエル・デ・ゴドイの妻となるチンチョン女伯爵(マリア・テレサ)の幼き姿など親王の子供らが配されると共に、画面左下へ若きゴヤ自身の姿も描き込まれている。1780年代のゴヤの作品の中でも特に巨大な寸法で制作されている本作は、集団肖像画の画題としては風変わりな場面設定が為されるものの、芸術家を庇護したドン・ルイス親王とその一家の日常的一面が見事に捉えられていると共に、群像作品としての構図・構成の妙には一目すべき点が多い。


【全体図】
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トランプ遊びに興じるドン・ルイス親王。本作はスペイン屈指の美術愛好家としても知られていた当時のスペイン国王カルロス3世の末弟で、アラゴン地方出身の下級貴族の娘マリア・テレサ・バリャブリガと結婚したことから国王に疎まれ宮廷社会から追放された≪ドン・ルイス・デ・ボルボン親王≫一家の集団肖像画作品である。



【トランプ遊びに興じるドン・ルイス親王】
若き妻マリア・テレサ・バリャブリガの姿。画面中央へは髪結師に就寝用の調髪をさせる親王の若き妻マリア・テレサ・バリャブリガが、その傍らにはカード遊びに興じるドン・ルイス親王が配されている。



【若き妻マリア・テレサ・バリャブリガ】
当時を代表する宮廷作曲家ルイジ・ボッケリーニ。画面右側には執事や給仕らが描きこまれているが、その中には当時を代表するイタリアの宮廷音楽家ルイジ・ボッケリーニの姿を確認することができる(画面右から3番目の男)。



【当時の宮廷作曲家ボッケリーニ】
野心溢れる若きゴヤ自身の姿。本作は集団肖像画の画題としては風変わりな場面設定が為されるものの、芸術家を庇護したドン・ルイス親王とその一家の日常的一面が見事に捉えられていると共に、群像作品としての構図・構成の妙には一目すべき点が多い。



【野心溢れる若きゴヤ自身の姿】

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