2010/04/25掲載
■
オスーナ公爵夫妻とその子供たち(Duqueses de Osuna y sus hijos) 1788年 225×174cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)
家族を守り慈しむオスーナ公爵の姿。本作は依頼主である第九代オスーナ公爵が1788年、父の死去によって爵位を継いだ際に制作された≪家族肖像画(集団肖像画)≫作品である。
【慈しむオスーナ公爵の姿】 豊かな知性と品位の高さで名が知られていた妻ベルベンテ女公爵。オスーナ公爵、そして妻ベルベンテ女公爵はゴヤの良き理解者であり、かつ重要な支援者(パトロン)でもあった夫妻とその子供たちを描いた本作で特に注目すべき点は人物が身に着ける衣服にある。
【ベルベンテ女公爵の姿】
当時流行していたフランス風ボロネーズのドレス。本作にはこの最先端の衣服によって観る者の視線を誘引させる目的が明確に示されており、事実、観る者はベルベンテ女公爵やその娘らが身に着けるドレスの柔らかで洗練された質感、シルエットに惹きつけられる。
【フランス風ボロネーズのドレス】
愛らしい末子の自然体な姿。末子こそ床に置かれた緑色のクッションに座りつつ玩具の馬車に付けられた紐を手にした姿であるものの、他の子供たち、特に二人の娘たちは夫妻に手を握られながら立直している。
【愛らしい末子の自然体な姿】 |