2011/07/26掲載
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トビアスと大天使ラファエル(Tobias y el Arcangel Rafael) 1788年頃 63.5×51.5cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド) 神々しい大天使ラファエルの姿。画面中央に配される大天使ラファエルは両手を広げた姿態で描かれており、白い後光をまとうその姿は(太陽神など)古代の神々を連想させる。
【神々しい大天使ラファエルの姿】 忠実な眼差しを向けるトビアス。このトビアスの主題は伝統的に新約聖書≪聖家族≫の予兆とされており、父の病を治す薬を得たトビアスは主イエス(救済と贖罪)や純潔の象徴とされている。
【眼差しを向けるトビアス】 トビアスが手にする一匹の大魚。本作の制作意図としては当時の一般的な解釈であった≪家族のために息子を旅立たせ(働かせ)る≫商業的な思想から商人からの注文によるものとする説のほか、大天使ラファエルは癒し(治癒)を司ることから制作当時、天然痘を煩っていた画家の息子ハビエルのための主題とする説(=画家本人のための作品)も唱えられている。
【トビアスが手にする一匹の大魚】 |