Description of a work (作品の解説)
2011/07/26掲載
Work figure (作品図)
■ 

トビアスと大天使ラファエル


(Tobias y el Arcangel Rafael) 1788年頃
63.5×51.5cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

18世紀後半から19世紀前半まで活躍したスペインロマン主義の偉大なる巨匠フランシスコ・デ・ゴヤが1788年に制作した注目すべき宗教画作品のひとつ『トビアスと大天使ラファエル』。本作は旧約聖書外典トビト書に記される≪トビアスと天使≫を主題とした作品である。本場面は主題中、父トビトの目の病(盲目)を治す方法を得るため大天使ラファエルと共に旅立った息子トビアスが、旅の途中、ラファエルの導きにより夕暮れのティグリス河で大魚を獲る場面を描いたもので、トビト書にはここでトビアスが得た大魚の胆のうで父の病を治したとされている。画面中央に配される大天使ラファエルは両手を広げた姿態で描かれており、白い後光をまとうその姿は(太陽神など)古代の神々を連想させる。またラファエルの足許で跪くトビアスは忠誠心深い眼差しを大天使へと向けており、両者の調和的な関係性を感じることができる。このトビアスの主題は伝統的に新約聖書≪聖家族≫の予兆とされており、父の病を治す薬を得たトビアスは主イエス(救済と贖罪)や純潔の象徴とされている。本作の制作意図としては当時の一般的な解釈であった≪家族のために息子を旅立たせ(働かせ)る≫商業的な思想から商人からの注文によるものとする説のほか、大天使ラファエルは癒し(治癒)を司ることから制作当時、天然痘を煩っていた画家の息子ハビエルのための主題とする説(=画家本人のための作品)も唱えられている。


【全体図】
拡大表示
神々しい大天使ラファエルの姿。画面中央に配される大天使ラファエルは両手を広げた姿態で描かれており、白い後光をまとうその姿は(太陽神など)古代の神々を連想させる。



【神々しい大天使ラファエルの姿】
忠実な眼差しを向けるトビアス。このトビアスの主題は伝統的に新約聖書≪聖家族≫の予兆とされており、父の病を治す薬を得たトビアスは主イエス(救済と贖罪)や純潔の象徴とされている。



【眼差しを向けるトビアス】
トビアスが手にする一匹の大魚。本作の制作意図としては当時の一般的な解釈であった≪家族のために息子を旅立たせ(働かせ)る≫商業的な思想から商人からの注文によるものとする説のほか、大天使ラファエルは癒し(治癒)を司ることから制作当時、天然痘を煩っていた画家の息子ハビエルのための主題とする説(=画家本人のための作品)も唱えられている。



【トビアスが手にする一匹の大魚】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ