2009/12/24掲載
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接吻(キス)(Il bacio) 1859年112×88cm | 油彩・画布 | ブレラ美術館(ミラノ)
情熱的に接吻を交わす若い男女。画面中央へは品質の高さを感じさせる衣服を身に着けた身なりの良い娘が、(この娘と)身分不相応に感じられる質素な衣服と羽根付帽子を被った若い男に情熱的な接吻を受けている姿が描き込まれている。
【情熱的に接吻を交わす若い男女】
しがみ付くように男の肩へかけられた女性の手。アイエツ自身、非常に情熱家で恋愛に溺れる傾向が強かった性格の持ち主であった故、自身の経験にも基づいているのであろう本作の扇情的な抒情性は、観る者に恋愛的な感情性を強く訴えかける。
【男の肩へかけられた女性の手】
質の高さを感じさせる艶やかな青地の衣服。同時代のイタリアはイタリア統一運動の真っ只中にあり、当時の首相カミッロ・カヴールがフランス皇帝ナポレオン3世と交わした同盟の寓意として本作の男女の禁断的関係を解釈することができる。
【質の高さを感じさせる艶やかな衣服】
すぐこの場から立ち去ることができるように階段へかけられた足。男の足下に視線を向けると片足を階段へ置き、すぐこの場から立ち去ることができるような仕草を示している点から、この男女の関係が祝福されたものではなく、禁断的な恋愛関係であることを窺い知ることができる。
【階段へかけられた足】 |