2008/05/17掲載
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記憶(Memories) 1889年127×200cm | パステル・画布(厚紙) | ベルギー王立美術館 関連:『≪記憶≫に用いられたマルグリット・クノップフの写真』 関連:1887年制作 『マルグリット・クノップフの肖像』 画家の最愛の妹マルグリット・クノップフをモデルに描かれる女性。本作に描かれる女性は全て、画家の最愛の妹であり、唯一心を許せた存在でもあるマルグリット・クノップフで、画家は自ら選んだ衣服を着せたマルグリットの写真を撮り、それを基に本作を手がけたことが知られている。
【マルグリットをモデルとした女性】 テニス用の衣服に身を包む7人のマルグリット。垣と画面左端の木々以外の一切の構成要素が描かれない芝生の風景の中、様々なテニス用の衣服に身を包む7人の女性(マルグリット・クノップフ)は、その視線を誰とも交わることを無く、ラケットを手に持ち、ただそこに立っている。
【テニス用の衣服を着たマルグリット】 分裂した7人の女性の無機質的な感覚。本作の非常に夢想的で非現実的な雰囲気や様子、そしてひとつの個体であるマルグリットが分裂した7人の女性の無機質的な感覚には、フェルナン・クノップフの深層心理世界の表れであると同時に、希望と絶望が入り混じった、ある種の願望を感じさせる。
【分裂した7人の女性の無機質的な感覚】 |