2008/05/07掲載
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人生の三段階(女の生の三段階、人生の三世代)(Die drei Lebensalter) 1905年 180×180cm | 油彩・画布 | ローマ国立近代美術館 穏やかな表情を浮かべながら互いを慈しむように抱き合う若年期と幼年期。本作は中世以来、一般的な画題のひとつとして定着した、幼少期、若年期(青年期)、老年期(さらに老年期の前へ成人期を入れる場合もある)と人間の≪人生の段階≫を描いた作品である。
【穏やかな表情の若年期と幼年期】
左手で顔を覆う老いた老婆の姿。左手で顔を覆い、うな垂れるかのような姿態の痩せ衰えた(老年期の)老婆の姿は、若年期と幼年期の瑞々しく光に満ちた姿とは対照的に、観る者に対して否が応にも人生の終着≪死≫を予感させる。
【左手で顔を覆う老いた老婆の姿】 輝く若さと純潔性、そして未来への喜びを意味する華麗な装飾。若年期を表す若く美しい女が、幼少期の女の子供を抱くという姿で表現された両者の下半身は薄く透けた緑色の布に包まれ、さらに鮮やかな青色と黄色によって華やかに装飾されている。
【若さと純潔性を意味する華麗な装飾】 |