2007/12/25掲載
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愛(Liebe) 1895年60×44cm | 油彩・画布 | ウィーン市立歴史美術館 関連:『カルロスの衣装を身に着けるジョセフ・ルインスキー』
悲愴的でありながら目の前の相手のみに意識を集中させる男女の運命的な表情。この表情や非常に甘くロマンティックな雰囲気の場面描写は、二人のただならぬ内密的な関係を予感させ、観る者にその後の(悲劇的な)成り行きを想像させるほか、二人の関係性にはファム・ファタル(運命の女)的思想も感じられる。
【相手に意識を集中させる男女の表情】
画面上部に描かれる二人を見守る(※覗いているかのようでもある)印象的な複数の頭部。この頭部の解釈は諸説あるものの、≪幼少期≫、≪青年期≫、≪老年期≫、そして≪死≫など、人生の経過とその儚さを表現したものであるとの説が有力視されている。
【二人を見守る印象的な複数の頭部】 【金地の上へ描かれる桃色の薔薇】 |