2009/11/29掲載
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ダヴィデ(David) 1878年229.5×138cm | 油彩・画布 | アーマンド・ハマー美術館
老いたダヴィデ王の虚ろな表情。本作は古代イスラエル第2代の王であり、敵対するペリシテ人の屈強な戦士ゴリアテを投石によって倒した逸話でも著名な旧約聖書中に登場する預言者≪ダヴィデ(ダビデ)≫の晩年の姿を描いた作品である。
【老いたダヴィデ王の虚ろな表情】
若々しく聖性に溢れた王の魂の擬人像。モローはこの姿こそ老いてはいるものの、その魂の生命と聖性に溢れた荘厳なダヴィデ王こそ真に崇高すべき姿であると主題を解釈しており、本作にはその意図が明確に示されている。
【聖性に溢れた王の魂の擬人像】 ダヴィデ王への敬意を表す炎の灯された香炉。ダヴィデ王の周囲には純潔の象徴としてよく知られる白鳩が配され、また玉座の上部に描き込まれる炎が灯された香炉からは香煙が天へと立ち昇っており、偉大なる王への敬意と愛情が表されている。
【ダヴィデ王への敬意を表す香炉】 |