2009/11/15掲載
■
ナイル川に捨てられたモーセ(Moïse exposé sur le Nil) 1878年 185.5×134.6cm | 油彩・画布 | フォッグ美術館
後光が射す無垢な赤子のモーセ。パリ万国博覧会への出品作としても知られる本作の画面下部へ描かれる赤子のモーセに対して、モローは法による統治の希望や繁栄の象徴の意図を、モーセの顔や肉体にかかる後光によって示している。
【後光が射す無垢な赤子のモーセ】
穏やかなナイル川の水面。画面中央下部には近景として、葦で編まれた籠舟に乗せられナイル川へと流される赤子のモーセ(後のイスラエルの指導者。父なる神から与えられた十戒でも良く知られる)の無垢な寝顔を浮かべる姿が配されており、全身、特に顔部分には後光が輝いている。
【穏やかなナイル川の水面】
繊細な色彩で描写される古代エジプトの建築物。本作においては中景から遠景、画面中央から画面上部へかけて暗から明へと変化する渓谷のような古代エジプトの廃墟的建築物の繊細で幻想的な色彩も秀逸な出来栄えであり、大きな見所である。
【古代エジプトの建築物】 |