Description of a work (作品の解説)
2010/09/02掲載
Work figure (作品図)
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ファエトン(パエトン)

 (Paéton) 1878年
229.5×138cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

フランス象徴主義の大画家ギュスターヴ・モロー成熟期を代表する神話主題作品のひとつ『ファエトン(パエトン)』。1878年に開催されたパリ万国博覧会への出品作としても知られる本作は、古代ローマの伝説的詩人オウィディウスの傑作叙事詩集≪転身物語(変身物語)≫に記された、太陽神アポロン(ヘリオス)の息子≪ファエトン≫の逸話の一場面を主題に制作された神話画作品である。詩集≪転身物語(変身物語)≫では、太陽神の息子であることを証明する為にファエトンが父アポロンに懇願し天の道を駆ける太陽(日輪)の戦車を借り受けるものの、制御しきれず戦車の扱いを誤り天の道を外れしまい、戦車の日輪が大地を焼いてしまいそうになるが、その寸前で最高神ユピテルの放った雷によって河へと打ち落とされており、本作では天道を外れ地上へと落下するファエトンと太陽の戦車が画面中央からやや左上へ配されている。ファエトンの背後には左上から右下へと円を描くように天道が描かれ、その道に沿うように獅子と巨獣(※一説には邪悪を意味する龍・ドラゴンとも解釈される)が配されている。本作を制作するにあたり、モローは青年期に読んだ生前の父が所有していた(死後はモローが相続)≪転身物語≫の仏語訳版の刺激的で幻想的な体験を反芻するかの如く再現したと語っており、画家独自の独創性によって他に類の無い独自的な世界観による主題の表現に成功している。


【全体図】
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天道を外れ落下するファエトン。1878年に開催されたパリ万国博覧会への出品作としても知られる本作は、古代ローマの伝説的詩人オウィディウスの傑作叙事詩集≪転身物語(変身物語)≫に記された、太陽神アポロン(ヘリオス)の息子≪ファエトン≫の逸話の一場面を主題に制作された神話画作品である。



【天道を外れ落下するファエトン】
御しきれず暴走した太陽(日輪)の戦車。≪転身物語(変身物語)≫では、太陽神の息子であることを証明する為にファエトンが父アポロンに懇願し天の道を駆ける太陽の戦車を借り受けるものの、制御しきれず天の道を外れしまい、戦車の日輪が大地を焼いてしまいそうになるが、その寸前で最高神ユピテルの放った雷によって河へと打ち落とされた。



【暴走した太陽(日輪)の戦車】
幻想的な天の道の描写。モローは青年期に読んだ生前の父が所有していた(死後はモローが相続)≪転身物語≫の仏語訳版の刺激的で幻想的な体験を反芻するかの如く再現したと語っており、画家独自の独創性によって他に類の無い独自的な世界観による主題の表現に成功している。



【幻想的な天の道の描写】

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