2009/07/18掲載
■
サロン・デ・サン(1897年版、ミュシャ展版)(Poster for the Exhibition of the Salon des Cent) 1897年 63×43.5cm | リトグラフ | 所蔵先複数
深い意味を感じさせる少女の眼差し。で開催された、ミュシャの2度目の個展の告知用ポスター作品で、画面中央からやや左寄りに配されるスラブ風の少女は口元に右手を置きながら観る者へと実直な視線を向けている。
【深い意味を感じさせる少女の眼差し】
スラブ的な髪飾りを身に着けた少女。少女の身に着ける髪飾りは、サロン・デ・サンの経営者が刊行していた美術総合誌ラ・プリュム内の評論で「典型的なスラムの娘」と評されるよう、異国的(かつ画家の民族的アイデンティティー)な雰囲気を顕著に伝える役割を果している。
【スラブ的な髪飾りを身に着けた少女】 象徴的な3輪とハート。この少女が左手に持つペンで描いたことを連想される象徴的な3輪は宗教的(キリスト教的)観念としての「希望」「信仰」「受難」を、中央のハートは「愛」を意味していると考えられている。
【象徴的な3輪とハート】 |