2008/04/27掲載
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ジスモンダ(Poster for Gismonda) 1895年213×75cm | リトグラフ | 所蔵先複数
威厳的でありながら高潔性に満ちたジスモンダの表情。本作に描かれるのは当時、フランスで最も名を馳せていた劇作家ヴィクトリアン・サルドゥーが手がけた戯曲『ジスモンダ』第三幕中、≪棕櫚の日曜日の行列に加わるジスモンダ≫の場面である。
【高潔性に満ちたジスモンダの表情】 死に対する永遠の生命の勝利を意味する棕櫚の葉。本作の中で、高齢でありながら圧倒的な人気を博していた舞台女優サラ・ベルナールが扮するジスモンダは、主イエスを迎えるために棕櫚(シュロ)の葉を右手に持っている。
【永遠の生命の勝利を意味する棕櫚】 様式化された装飾的描写。対象の特徴を的確に掴んだ表現や空間的平面性、異国趣味的な表現、極端に縦に伸びた画面構成など、その後に画家が手がける諸作品に共通する独自の個性や作品的特徴が、本作の時点でほぼ確立している。
【様式化された装飾的描写】
単純化と意匠化が試みられる文字装飾。本作はサラ・ベルナールから「舞台のポスターを至急制作してほしい」と電話で依頼を受け、わずか数日で制作したとの伝説的な逸話が残されているが、これは画家が依頼を受ける以前に本戯曲を観賞し、その中で最も印象に残った姿を映したとも推測されている。
【単純化と意匠化が試みられる文字装飾】 |