Description of a work (作品の解説)
2009/11/17掲載
Work figure (作品図)
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ヒヤシンス姫

 (Poster for Princess Hyacinth) 1911年
117.5×78.5cm | リトグラフ | 所蔵先複数

アール・ヌーヴォー様式の巨匠アルフォンス・ミュシャ、チェコ時代を代表するポスター作品『ヒヤシンス姫』。ミュシャが故郷チェコへ帰郷した翌年となる1911年に制作された本作は、同国の人気舞台女優アンドゥラ・セドラコヴァが主演したラディスノフ・ノヴァク脚本オスカー・ネドバル編曲によるオペラ・パントマイム≪ヒヤシンス姫≫の宣伝用ポスター作品である。画面中央に描かれる本舞台の主役ヒヤシンス姫は右手で頬杖をつきながら観る者へと真っ直ぐ視線を向けている。ヒヤシンス姫が身に着ける衣服はミュシャの故郷であるスラヴ風の様式が色濃く反映されており、画家の故郷に対する深い情念を感じることができる。さらに頭部へは赤いヒヤシンスの花が飾り付けられた髪飾りが、背景にはパリ時代を彷彿とさせながらやや簡素化された円形へモチーフを組み合わせた装飾が施されており、ここにパリ時代とスラヴ時代の様式的融合を見出すことができる。本作を手がけた1911年からミュシャは生涯最大の大作となる連作『スラヴ叙事詩』を手がけ始めたため、チェコ時代の画家は政府委託の作品以外、商業宣伝用ポスターを殆ど手がけなくなるものの、本作においては同国を代表する美しい女優が主演のオペラ・パントマイムであった点や故郷に対する強いアイデンティティー、愛国心などの事由により制作したと考えられている。


【全体図】
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観る者へと真っ直ぐ視線を向けるヒヤシンス姫。ミュシャが故郷チェコへ帰郷した翌年となる1911年に制作された本作は、同国の人気舞台女優アンドゥラ・セドラコヴァが主演したラディスノフ・ノヴァク脚本オスカー・ネドバル編曲によるオペラ・パントマイム≪ヒヤシンス姫≫の宣伝用ポスター作品である。



【観る者へと視線を向けるヒヤシンス姫】
ヒヤシンス姫が身に着けるスラヴ風の衣服。画面中央に描かれる本舞台の主役ヒヤシンス姫は右手で頬杖をつきながら観る者へと真っ直ぐ視線を向けている。ヒヤシンス姫が身に着ける衣服はミュシャの故郷であるスラヴ風の様式が色濃く反映されており、画家の故郷に対する深い情念を感じることができる。



【主役が身に着けるスラヴ風の衣服】
やや簡素化されたチェコ時代の装飾性。頭部へは赤いヒヤシンスの花が飾り付けられた髪飾りが、背景にはパリ時代を彷彿とさせながらやや簡素化された円形へモチーフを組み合わせた装飾が施されており、ここにパリ時代とスラヴ時代の様式的融合を見出すことができる。



【簡素化されたチェコ時代の装飾性】

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