2009/11/30掲載
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ベアトリーチェ(Beatrice) 1895年頃34.5×30cm | パステル・紙 | 個人所蔵
メランコリックな表情を浮かべるベアトリーチェ。本作は古典イタリア文学の最高傑作である長編叙事詩『神曲』の著者として名高い、初期ルネサンスに活躍したイタリアの詩人ダンテ・アリギエーリが恋焦がれた永遠の女性≪ベアトリーチェ≫を描いた作品である。
【憂鬱な表情を浮かべるベアトリーチェ】 ベアトリーチェに被せられる髪飾り。本作に描かれるややメランコリックな表情を浮かべるベアトリーチェの横顔からも、そのような永遠の淑女像としての印象を、さらにはファム・ファタル(運命の女)的な象徴性を感じることができる。
【ベアトリーチェに被せられる髪飾り】 清涼的な青空と幻想的な桃色の山脈。主要な色彩数としては非常に少なく、作品自体の構成要素も極めて簡素な本作ではあるが、視覚的な感覚を最大限に活かす本作の色彩対比は秀逸の出来栄えであり、今も観る者を魅了する。
【清涼的な青空と幻想的な桃色の山脈】 |