2010/06/16掲載
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オアンネス(Oannès)1910年頃 | 45.5×31.5cm | パステル・紙 国立クレラー=ミュラー美術館(オッテルロー)
瞑想的なオアンネスの姿。本作は同時代を代表するフランスの小説家ギュスターヴ・フローベールの戯曲的小説≪聖アントワーヌの誘惑≫に登場する半人半魚(人頭魚身)のカルデア神≪オアンネス≫を画題に制作された作品で、ルドンは黒の時代から度々この主題に取り組んでいる。
【瞑想的なオアンネスの姿】
形を与えられた生命体。オアンネスは古代バビロニアへ文字や科学など文明を伝えた神であるとされ、小説≪聖アントワーヌの誘惑≫では「我は混沌の最初の意識であり、形体を定めるために深淵から来た」と記されるよう、混沌の中で生命に姿形を与える役割を担う存在として書かれている。
【形を与えられた生命体】 海辺を連想させる情景。画面下部には浜辺を連想させる風景の中で古代生物を彷彿とさせる奇怪的な生命体が多様な色彩で描写されており、オアンネスによって形を与えられた生命体は観る者へ強烈な印象を残すほどの存在感を放っている。
【海辺を連想させる情景】 |