2010/04/11掲載
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ルッジェーロとアンジェリカ(Roger et Angélique) 1910年頃 91.5×71cm | パステル・紙・画布 | ニューヨーク近代美術館
ヒッポグリフに跨る遊歴の騎士ルッジェーロ。本作は16世紀イタリアを代表する詩人ルドヴィーコ・アリオストの傑作叙事詩≪怒れるオルランド(狂えるオルランド)≫の一場面を主題とした作品である。
【遊歴の騎士ルッジェーロの姿】
岩に繋がれるアンジェリカ。1913年にアメリカで開催された国際現代美術展への出品作としても知られる本作の画面右側へはルッジェーロの参上に気づいたのであろう怪物に怯えながら必死に脱出を試み身悶えする鎖で岸壁へ繋がれた裸体のアンジェリカが描き込まれている。
【岩に繋がれるアンジェリカ】 幻想性を感じさせる青色の岸壁。本作の独特な主題の表現については画家はもちろん、その時代的背景の影響も考察されており、そのような点からも本作は画家晩年期の代表的作例として特に注目されている。
【幻想性を感じさせる青色の岸壁】 |