Description of a work (作品の解説)
2008/05/16掲載
Work figure (作品図)
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ショールを掛けたブルターニュの女たち−ドゥワルヌネの少女たち

 1895年 | 72.5×59.5cm | 油彩・画布 | 個人所蔵
(Bretonnes aux Châles (Les Filles de Douarnenez))

ナビ派の中心的存在の画家のひとりポール・セリュジエの代表作のひとつ『ショールを掛けたブルターニュの女たち−ドゥワルヌネの少女たち』。おそらくは当時、恋愛関係にあったポーランド出身の女優ガブリエラ・ザポルスカのため(ガブリエラが住むアパルトマンのための装飾画と推測される)に制作された本作は、フランス北西部ブルターニュ地方の女たちが、ドゥワルヌネ付近の海岸(浜辺)沿いの丘で寛ぐ情景を描いた作品である。画面下部にはブルターニュ独特の民族衣装を身に着け、さらにその上から様々な色のショールを肩に羽織った女が5人配され、各々が会話を交わしている様子である。さらに画面奥には日傘を差す二組の女性らが描かれており、画面左の女性らは海岸の方へと視線を向けている。陰影を全く表現しない平面的な描写や、細く流々とした輪郭線、簡素かつ単純・パターン的な線で描写される草の表現、淡白に描かれる女たちの顔立ち、段階的に濃淡(階調)が推移する色彩処理、画面奥(遠景)の浜辺の表現などには、明確な日本趣味、特に浮世絵などからの影響を強く感じさせる。また女性達が身に着ける前掛けの装飾的な文様表現や、複雑化や遠近感を感じさせない単純明快な構図・画面展開も特に注目すべき点のひとつである。


【全体図】
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淡白に描かれる女たちの顔立ち。おそらくは当時、恋愛関係にあったポーランド出身の女優ガブリエラ・ザポルスカのために制作された本作は、フランス北西部ブルターニュ地方の女たちが、ドゥワルヌネ付近の海岸(浜辺)沿いの丘で寛ぐ情景を描いた作品である。



【淡白に描かれる女たちの顔立ち】
日傘を差すブルターニュの女。画面下部にはブルターニュ独特の民族衣装を身に着け、さらにその上から様々な色のショールを肩に羽織った女が5人配され、各々が会話を交わしている様子である。さらに画面奥には日傘を差す二組の女性らが描かれており、画面左の女性らは海岸の方へと視線を向けている。



【日傘を差すブルターニュの女】
日本の浮世絵からの影響を感じさせる海の表現。陰影を全く表現しない平面的な描写や、細く流々とした輪郭線、簡素かつ単純・パターン的な線で描写される草の表現、淡白に描かれる女たちの顔立ち、段階的に濃淡(階調)が推移する色彩処理、画面奥(遠景)の浜辺の表現などには、明確な日本趣味、特に浮世絵などからの影響を強く感じさせる。



【浮世絵からの影響を感じさせる表現】

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