2008/08/31掲載
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公園(遊ぶ子供たち、問いかけ、乳母、会話、赤い傘)(Jardins publics (Fillettes jouant, L'interrogatoire, Les nourrices, La conversation, L'ombrelle rouge)) 1894年頃 各作品による | 泥絵具・画布 | オルセー美術館(パリ) ≪公園≫の中での日常的な情景。本作は前衛芸術としてナビ派を擁護していた雑誌「ルヴュ・ブランシュ」の主催者タデ・ナタンソンの兄アレクサンドル・ナタンソンの依頼により、同氏の自宅の食堂の装飾画として制作された9点1組のパネル作品≪公園≫の中でオルセー美術館が所蔵する5作品である。
【≪公園≫の中での日常的な情景】 日本の版画を思わせるような平面性。本5作品は制作から約35年経過した後の1929年に売却された際、オルセー美術館へと収蔵された作品(他4作品は分散)で、作品群の名称ともなっている≪公園≫の中での日常的な情景が各パネルには描かれている。
【日本の版画を思わせるような平面性】 隣り合う色面の優れた調和性や光に満ちた明瞭な色彩。本5作品も日本の版画を思わせるような平面性や明確な輪郭線が顕著に示されているほか、隣り合う色面の優れた調和性や光に満ちた明瞭な色彩など、本作では日常的な画題を装飾性豊かに扱ったヴュイヤール作品の特徴を随所に感じることができる。
【色面の優れた調和性や明瞭な色彩】 |