Description of a work (作品の解説)
2004/09/09掲載
Work figure (作品図)
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背中を見せて横たわる裸婦

 (Nu couche de dos) 1917年
64.5×99.5cm | Oil on canvas | Barnes Foundation, Merion,

エコール・ド・パリの大画家アメデオ・モディリアーニの代表作『背中を見せて横たわる裸婦』。本作は、後に深い恋愛関係に落ちることになる画学生であったジャンヌ・エビュテルヌと出会い、画家として最も精力的に活動をおこなった時期である1917年に手がけられた作品であり、モディリアーニの代表的な裸婦作品はこの頃に集中して制作されている。非常にしなやかで官能的な肢体の曲線を露わにソファーに横たわる裸婦像はモディリアーニの裸婦の典型であるが、画家は同時期に、おそらくスペイン・バロック絵画の巨匠ディエゴ・ベラスケスによる傑作『鏡を見るヴィーナス(ロークビーのヴィーナス)』や、新古典主義の巨匠アングルの傑作『グランド・オダリスク』の構図に基づいた裸婦作品『右肩越しに見る裸婦』を手がけており、古典的な美と、『腕を広げて横たわる裸婦(赤い裸婦、クッションの上の裸婦)』などで示された古典的抑圧から開放された奔放な(女性)美との融合が見られる本作は、モディリアーニの裸婦作品の中でも特に注目すべき点のひとつである。また寝そべりながらも、画家の特徴的な表現のひとつであるアーモンド型の瞳の視線は、観者に向けられているのではなく、モデルと対峙することによる画家の自己反映とも解釈することができる。さらに本作の暖色を多用した怠惰的で退廃的な色彩表現や、画面左上から右下へと流れる裸婦の大胆な姿態や画面展開も、モディリアーニ独特の美的世界観の反映であり、本作の大きな見所である。

関連:『右肩越しに見る裸婦』
関連:『腕を広げて横たわる裸婦』


【全体図】
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印象的なアーモンド型の瞳の裸婦。古典的な美と、『腕を広げて横たわる裸婦(赤い裸婦、クッションの上の裸婦)』などで示された古典的抑圧から開放された奔放な(女性)美との融合が見られる本作は、モディリアーニの裸婦作品の中でも特に注目すべき点のひとつである。



【印象的なアーモンド型の瞳の裸婦】
暗く退廃的な色彩による壁の表現。寝そべりながらも、画家の特徴的な表現のひとつであるアーモンド型の瞳の視線は、観者に向けられているのではなく、モデルと対峙することによる画家の自己反映とも解釈することができる。なお画面左上には画家のサインが確認できる。



【暗く退廃的な色彩による壁の表現】

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