Description of a work (作品の解説)
2005/10/19掲載
Work figure (作品図)
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鏡を見るヴィーナス(ロークビーのヴィーナス)


(Venus del espejo) 1648年頃
122.5×175cm | 油彩・画布 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

スペインバロックの巨匠ディエゴ・ベラスケスの残す唯一の裸婦画『鏡を見るヴィーナス』。ロークビーのヴィーナスとも呼ばれる本作は厳格なカトリックがスペインを支配していた時代に描かれた裸婦であり、本作以外では近代絵画の創始者フランシスコ・デ・ゴヤの『裸のマハ』しか残されていない。この極めて稀な題材≪裸婦≫を扱う本作が描かれた時期については、通常1649年から翌年の1650年まで滞在した、自身、二度目となるイタリアの地で描かれたとされていたが、近年、画家の帰国以前にマドリッドにあったことも確認された。ヴィーナスとされる裸婦が背中を向けている理由や、顔しか写っていない鏡の解釈は、慈しみの深さを表すとする説や、裸体を諸悪と考えていた教会からの破門を恐れたとする説など諸説唱えられるも、どれも確証は得ていないが、この裸婦についてはイタリアで出会った愛人をモデルに描いたとの説が有力視されている。また滑らかな曲線を描く裸婦のポーズは、ティツィアーノティントレットなどヴェネツィア派の影響であることも指摘されているが、より可能性が大きいのは、友人であり、よき理解者でもあったフランドルを代表する画家ルーベンスの影響によるものとされている。


【全体図】
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滑らかな曲線を描く裸婦。この裸婦についてはイタリアで出会った愛人をモデルに描いたとの説が有力視されており、背中を向けたポーズは、友人であり、よき理解者でもあったフランドルを代表する画家ルーベンスの影響によるものとされている。



【滑らかな曲線を描く裸婦】
ヴィーナスの顔のみが写る鏡。この鏡に写るヴィーナスの解釈は、慈しみの深さを表すとする説や、裸体を諸悪と考えていた教会からの破門を恐れたとする説など、諸説唱えられているも、どれも確証は得ていない。



【ヴィーナスの顔のみが写る鏡】
鏡を持つ天使。ロークビーのヴィーナスとも呼ばれる本作は厳格なカトリックが支配していた時代に描かれた裸婦であり、本作以外での裸婦は、近代絵画の創始者フランシスコ・デ・ゴヤの代表作『裸のマハ』しか残されていない。



【鏡を持つ天使】

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