Description of a work (作品の解説)
2006/12/18掲載
Work figure (作品図)
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デルフトの小道(小路)

 (Het Straatjd) 1558-1559年頃
53.5×43.5cm | 油彩・画布 | アムステルダム国立美術館

17世紀オランダ絵画黄金期を代表する風俗画家ヨハネス・フェルメールが手がけた現存する二枚の風景画作品の内のひとつ『デルフトの小道』。1654年デルフトの街で起こった火薬庫爆発事故を機に、画家が思い入れの強い街の情景を絵画内へ留めようと、街への敬愛を示した都市景観画のひとつであると推測される本作に描かれる場所の特定については、研究家スウィレンスが提唱したフォルデルスフラハト運河近くの旧養老院とする説が主流とされているも、異論も多く、現在も研究が続いている。フェルメールと同じデルフト派のひとりピーテル・デ・ホーホの手がけた都市景観画に強い影響を受けていることが多くの研究者から指摘される本作では、左から洗濯をおこなう女、道端に座る二人の子供、戸口で針仕事をする老女が登場人物として描かれるが、いずれも当時の人々のありふれた日常生活の一場面を描いたものである。また本作の制作年代については、煉瓦で使用される赤褐色や、それらを繋ぐ膠泥(モルタル)の白色、ポワンティエ(点綴法)、一部に見られる何層にも重ねられた厚塗り描写など『牛乳を注ぐ女』や『デルフトの眺望』で用いられた手法と同様の手法で描かれることから、同時期に手がけられたと推定されている。


【全体図】
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道端に座る二人の子供。本作は1654年デルフトの街で起こった火薬庫爆発事故を機に、画家が思い入れの強い街の情景を絵画内へ留めようと、街への敬愛を示した都市景観画のひとつであると推測されている。



【道端に座る二人の子供】
煉瓦で使用される赤褐色や、それらを繋ぐ膠泥(モルタル)の白色。ピーテル・デ・ホーホの手がけた都市景観画に強い影響を受けていることが多くの研究者から指摘される本作は、『牛乳を注ぐ女』や『デルフトの眺望』で用いられた手法と同様の手法で描かれることから、同時期に手がけられたと推定されている。



【煉瓦で使用される赤褐色】
木々に見られるポワンティエ(点綴法)の手法。本作に描かれる場所の特定については、研究家スウィレンスが提唱したフォルデルスフラハト運河近くの旧養老院とする説が主流とされているも、異論も多く、現在も研究が続いている。



【木々に見られるポワンティエ(点綴法)】

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