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スルバラン (Zurbaran,Francisco de)
2006/03/20掲載
【全体図】
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■
無原罪の御宿り
(Inmaculada Concepción) 1630-35年頃
139×104cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)
スペイン・バロック芸術の大画家フランシスコ・デ・スルバランの最も著名な代表作のひとつ『無原罪の御宿り』。本作の主題は厳格なカトリック国家であり、聖母マリアへの信仰も非常に深かった17世紀スペインにおいて、最も一般的に描かれた主題のひとつである、聖母マリアの原罪なき姿を示す≪無原罪の御宿り≫を描いたもので、友人であり同時代を代表する巨匠
ベラスケス
の師である
パチェーコ
の『絵画論』の図像学的規定に忠実に基づいた構図が展開されている。本作に描かれる≪無原罪の御宿り≫は、神の子イエスが宿る聖なる体器に選定された聖母マリアも、イエス同様、原罪から免れているとの考えから神学者の間で盛んに議論された後、1854年にようやく法王庁より公認された教理で、本作では下弦の月に乗り地上へと降りてくる少女の姿をした聖母マリアの誕生と聖性を象徴化し表現されている。なお、セビーリャやアンダルシアを中心とした教会や修道院からの注文が多かった為にスルバランの現存する作品は宗教画が大半を占め、中でもこの≪無原罪の御宿り≫を主題とした作品は、画家の生涯の中でも複数描かれている。
関連:
ブダペスト美術館所蔵『無原罪の御宿り』
【少女の姿をした聖母マリア】
少女の姿をした聖母マリア。本作の主題≪無原罪の御宿り≫は厳格なカトリック国家であり、聖母マリアへの信仰も非常に深かった17世紀スペインにおいて、最も一般的に描かれた主題のひとつであり、聖母マリアの原罪なき姿を示している。
【激しい明暗対比と写実描写】
セビーリャ派独特の激しい明暗対比と写実描写。友人であり同時代を代表する巨匠
ベラスケス
の師である
パチェーコ
の『絵画論』の図像学的規定に忠実に基づいた構図が展開されている本作では、セビーリャ派独特の激しい明暗対比と写実描写と共に、画家の大きな特徴である静謐な表現がよく示されている。
【下弦の月に乗る聖母マリア】
下弦の月に乗り地上へと降りてくる聖母マリア。本作に描かれる≪無原罪の御宿り≫は、神の子イエスが宿る聖なる体器に選定された聖母マリアも、イエス同様、原罪から免れているとの考えから神学者の間で盛んに議論された後、1854年にようやく法王庁より公認された教理で、セビーリャやアンダルシアを中心とした教会や修道院からの注文が多かったスルバランの生涯の中でも複数描かれている。
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