2007/12/18掲載
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バルコニーの男(窓辺の若い男)1875-76年頃(Jeune homme à sa fenêtre (Homme au balcon)) 116.2×80.9cm | 油彩・画布 | 個人所蔵(パリ) 関連:『バルコニーの男』 関連:『バルコニーの男、オスマン大通り』
(おそらく)通りを歩く女性に視線を向ける画家の友人モーリス・ブロールト。背後のみを主体として人物を描くという、人物を画題として描く絵画作品としては非常に奇抜な本作の構図は、本作がほぼ同様の構図の写真を基に制作されたことに由来している(関連:写真 『サント・オーギュスタン広場を眺めるモーリス・ブロールト』)。
【画家の友人モーリス・ブロールトの後姿】
アパルトマンの一室のバルコニーから見えるサント・オーギュスタン広場。1882年3月に開催された第7回印象派展に出品された本作は、アパルトマンの一室のバルコニーからサント・オーギュスタン広場を眺める画家の友人モーリス・ブロールトの後姿を描いた作品である。
【サント・オーギュスタン広場の風景】
書き換えられたバルコニーの柵。描かれる人物(本作ではモーリス・ブロールト)は圧倒的な存在感があるにも係わらず、他の画家の作品と比較し、観る者はそれに親近感や心情・心理的感情の移入を全く抱くことは無い。この観る者が本作に向ける客観性こそ近代的な写真を取り入れた効果の表れである。
【書き換えられたバルコニーの柵】 |