Description of a work (作品の解説)
2009/05/11掲載
Work figure (作品図)
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饗宴

 (Feast) 1869-70年頃
130×81cm | 油彩・画布 | 個人所蔵

後期印象派を代表する画家ポール・セザンヌ初期の最も重要な作品のひとつ『饗宴』。かつて画家自身は≪酒宴≫と命名していたものの、批評家によって≪饗宴≫と呼称されるようになった本作は、19世紀フランスの小説家ギュスターヴ・フローベール(フロベール)の著書「聖アントニウスの誘惑」内に記述される≪ネブカドネザルの饗宴≫を光景を描いたと解釈されている作品で、特に華やかで豊潤な固有色や多様な陰影色など色彩表現においてルネサンスヴェネツィア派の大画家パオロ・ヴェロネーゼ(パオロ・カリアーリ)随一の大作『カナの婚宴』や、フランドル絵画最大の巨人ピーテル・パウル・ルーベンス、フランスロマン主義の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワへの傾倒と研究を如実に感じさせる。画面中央より下部で繰り広げられる酒宴の光景は享楽そのものであり、観る者へ否が応にも性的行為を連想させる。特に画面下部の裸体で抱き合いながら絡まる男女や散乱した豪勢な食事などは、もはや酒池肉林の様相を呈している。このような性的享楽を暗喩させた饗宴風景は当時の絵画主題においては流行でもあり、セザンヌもそれに則って制作を試みたと推測されているが、この頃の画家の色彩へと取り組みが顕著に示されている点で、初期作品の中でも特に重要視されている。なお画家は本作の典拠となったフローベールの「聖アントニウスの誘惑」そのものも、ほぼ同時期に作品として残している。

関連:1869-70年頃制作 『聖アントニウスの誘惑』


【全体図】
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豊満な肉体で表現される裸婦。。かつて画家自身は≪酒宴≫と命名していたものの、批評家によって≪饗宴≫と呼称されるようになった本作は、19世紀フランスの小説家ギュスターヴ・フローベール(フロベール)の著書「聖アントニウスの誘惑」内に記述される≪ネブカドネザルの饗宴≫を光景を描いたと解釈されている作品である。



【豊満な肉体で表現される裸婦】
次々と運ばれる豪勢な食事。画面中央より下部で繰り広げられる酒宴の光景は享楽そのものであり、観る者へ否が応にも性的行為を連想させ、特に画面下部の裸体で抱き合いながら絡まる男女や散乱した豪勢な食事などは、もはや酒池肉林の様相を呈している。



【次々と運ばれる豪勢な食事】
様式化された人物とバルコニー。本作の華やかで豊潤な固有色や多様な陰影色など色彩表現においては、ルネサンスヴェネツィア派の大画家パオロ・ヴェロネーゼ(パオロ・カリアーリ)随一の大作『カナの婚宴』や、フランドル絵画最大の巨人ピーテル・パウル・ルーベンス、フランスロマン主義の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワへの傾倒と研究を如実に感じさせる。



【様式化された人物とバルコニー】

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