2009/09/20掲載
■
牧歌(バルバリア河畔のドン・キホーテ)(Pastorake) 1870年 65×81cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ) 関連:ティツィアーノ作 『田園の奏楽』 関連:エドゥアール・マネ作 『草上の昼食』 【草上で寝そべる裸婦と近代的な男性】
官能性を感じさせる裸婦の姿態。草上で寝そべる男としてセザンヌ自身の姿も描き込まれている本作では、画面下部に『草上の昼食』を容易に連想させる男女が、画面左側には官能的な姿態を示す裸婦と水辺で髪を結う(又は水浴する)裸婦が、そして画面右側にはパイプを吸うような仕草を見せる着衣の男の後姿が描き込まれている。
【官能性を感じさせる裸婦の姿態】
男根を連想させる小島の樹木。本作では濃密な官能性を裸婦や男根を連想させる小島の樹木で、自然との調和性をやや不吉な印象すら感じさせる青々とした色彩で表現しており、これらは『田園の奏楽』以来、古典的な牧歌的風景画の典型であった本主題に対する若きセザンヌの挑戦的取り組みである。
【男根を連想させる小島の樹木】 |