Description of a work (作品の解説)
2006/02/12掲載
Work figure (作品図)
■ 

田園の奏楽

 (Concerto campestre) 1511年頃
110×138cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

ヴェネツィア派の大画家ティツィアーノ初期に属される代表的な作品のひとつ『田園の奏楽』。長い間、黄褐色の画面から画家の兄弟子ジョルジョーネに帰属されてきた本作は、古代ローマを代表する詩人、ウェルギリウスによって書かれた叙事詩≪牧歌≫を元に、ナポリ出身の詩人によって再解釈された理想郷的神話を題材とする詩的寓話≪田園風景≫を描いたもので、身なりの良い赤い衣服を纏う貴族の青年と、おそらくはその従者であろう青年が、美を象徴する裸体のニンフらと音楽による会話をおこなう様子を表現している。このような自然と人間との心理的融合を示す解釈は当時の神話画の代表的な表現のひとつであり、現在では兄弟子ジョルジョーネが着手するも制作途中で死去した為、若きティツィアーノが様々な個所に手を加えて完成させたとされている。また本作は印象派を代表する画家エドゥアール・マネの問題作『草上の昼食』の制作において、重要な典拠を為す強いインスピレーションを与えたことでも知られている。

関連:エドゥアール・マネ作『草上の昼食』


【全体図】
拡大表示
音楽を奏でる若い貴族と従者。本作は古代ローマを代表する詩人、ウェルギリウスによって書かれた叙事詩≪牧歌≫を元に、ナポリ出身の詩人によって再解釈された理想郷的神話を題材とする詩的寓話≪田園風景≫を描いたものだと推測されている。なお従者は羊飼い(牧夫)としても解釈されている。



【音楽を奏でる若い貴族と従者】
奏楽による会話をおこなうニンフ。本作では、身なりの良い赤い衣服を纏う貴族の青年と、おそらくはその従者であろう青年が、美を象徴する裸体のニンフらと音楽による会話をおこなう様子を表現している。



【奏楽による会話をおこなうニンフ】
美を象徴する裸体のニンフ。長い間、黄褐色の画面からティツィアーノの兄弟子ジョルジョーネに帰属されてきた本作の自然と人間との心理的融合を示す解釈は、当時の神話画の代表的な表現のひとつであり、ジョルジョーネが着手するも制作途中で死去した為、若きティツィアーノが様々な個所に手を加えて完成させたとされている。



【美を象徴する裸体のニンフ】
理想郷を思わせる牧歌的な風景。また本作は印象派を代表する画家エドゥアール・マネの問題作『草上の昼食』の制作において、重要な典拠を為す強いインスピレーションを与えたことでも知られている。



【理想郷を思わせる牧歌的な風景】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ