Description of a work (作品の解説)
2007/03/30掲載
Work figure (作品図)
■ 

テュイルリー公園の音楽祭


(La musique aux Tuileries) 1862年頃
76×119cm | 油彩・画布 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

印象派の巨匠エドゥアール・マネ初期の代表作『テュイルリー公園の音楽祭』。本作はフランス・パリのテュイルリー公園でおこなわれた音楽祭をモティーフにマネが1862年(1860年とする説も唱えられている)に描いた作品で、マネの写実主義的な思想による絵画表現がより明確に示されている。本作には画家自身はもとより、家族、友人、知人、同輩などを始めとした、当時の(芸術家や文筆家や評論家などの)文化的なブルジョワ層の人々が描かれている。左端にはマネ本人の半身が傍観的観察者のように描かれ、その隣にはマネの友人で画家であったステッキを手にするバルロワ卿アルヴェールが、さらに隣には評論家ザカリー・アストリュクが椅子に腰掛ける姿が描かれている。前景の二人の青帽子の女性は、軍事司令官の妻ルジョーヌ夫人と作曲家オッフェンバックの妻ジャック・オッフェンバック夫人が配され、その背後にはアンリ・ファンタン=ラトゥールやボードレールを始めとした写実主義者の一行が見える。また画面中央やや右寄にマネの弟ウジェーヌの姿を配し、その隣には眼鏡をかけた口髭の作曲家オッフェンバックが、そして帽子を上げ挨拶する画家シャルル・モンギノの姿が描かれている。群集肖像画とも呼べる本作ではマネが現代的な生活を営む現代人の優位を賞賛しており、写実主義の巨匠ギュスターヴ・クールベの傑作『画家のアトリエ』に比較し得る現代性の描写が明示されているのである。このような意味でも本作はエドゥアール・マネの転換期における重要な作品のひとつと位置付けられている。


【全体図】
拡大表示
マネの弟ウジェーヌの姿。本作はフランス・パリのテュイルリー公園でおこなわれた音楽祭をモティーフにマネが1862年頃に描いた作品で、印象派の巨匠エドゥアール・マネの写実主義的な思想による絵画表現がより明確に示されている。



【マネの弟ウジェーヌの姿】
マネの友人で画家のシャルル・モンギノ。群集肖像画とも呼べる本作ではマネが現代的な生活を営む現代人の優位を賞賛しており、写実主義の巨匠ギュスターヴ・クールベの傑作『画家のアトリエ』に比較し得る現代性の描写が明示されているのである。



【マネの友人で画家のシャルル・モンギノ】
ルジョーヌ夫人とジャック・オッフェンバック夫人。ルジョーヌ夫人はマネがバジールやボードレールと出会った家に住んでいた軍事司令官の妻で、ジャック・オッフェンバック夫人は作曲家オッフェンバックの妻であり、両者とも当時を代表するブルジョワ知識人層の人々である。



【ルジョーヌ夫人とオッフェンバック夫人】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ