2007/05/21掲載
■
エミール・ゾラの肖像(Portrait d'Emile Zola) 1867-1868年146×114cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ) 関連:エドゥアール・マネ作 『オランピア』 関連:ディエゴ・ベラスケス作 『バッコスの勝利(酔っ払いたち)』
マネの芸術を認め擁護したエミール・ゾラの横顔。1868年のサロンに出品された本作に描かれるのは小説家兼批評家の≪エミール・ゾラ≫の肖像で、エミール・ゾラが冊子「エヴェヌマン」の中でマネを強く擁護した分析的論文に対し、マネがゾラへの感謝と賞賛の証として描いた作品である。
【マネを擁護したエミール・ゾラの横顔】
画家の署名代わりともなっている≪MANET≫の文字が記されたマネに関する冊子。本作ではエミール・ゾラの肖像として作品に名称を付けながらも、マネのゾラに対する興味より、マネが持つ自身の興味(スペイン絵画や日本趣味)を中心に画面を構成させている点から、一般的にゾラの肖像画というよりも、己の関心を描いた静物画的人物画の側面が強いと解釈される。
【≪MANET≫の文字が記された冊子】
二代目歌川国明による多色刷浮世絵木版画『大鳴門灘右ヱ門』。壁にはゾラが強く擁護したマネの代表作『オランピア』の版画や、ディエゴ・ベラスケス作『バッコスの勝利(酔っ払いたち)』のエッチング、二代目歌川国明による多色刷浮世絵木版画『大鳴門灘右ヱ門』が飾られ、いずれもゾラへと視線を向けている。
【多色刷浮世絵版画『大鳴門灘右ヱ門』】 |