2007/08/01掲載
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桜の木(さくらんぼうの木)(Le cerisier) 1891-93年154×84cm | 油彩・画布 | マルモッタン美術館(パリ) 関連:第2作目 『桜の木(さくらんぼうの木)』 関連:サンドロ・ボッティチェリ作 『春(ラ・プリマベーラ)』
桜桃(さくらんぼう)を摘み取る少女。本作はベルト・モリゾがパリ西北メズィー滞在時に、桜の木に生る桜桃(さくらんぼう)を摘み取る少女たちの姿を描いた作品で、ボッティチェリの『春(ラ・プリマベーラ)』に表される理想的楽園の情景を、構想の着想源とし(そしてそれを目指し)制作されている。
【桜桃(さくらんぼう)を摘み取る少女】
補色関係にある色彩によって表現される繊細かつ輝きを帯びた優美な光。本作で表現される風薫る春の柔らかく暖かな雰囲気や情景は、ルノワールを感じさせる大らかで流動的な筆触と多彩な色彩などによって類稀な相乗的効果が生み出されており、それらは何れも秀逸な出来栄えを示している。
【繊細かつ輝きを帯びた優美な光】
摘み取った桜桃を入れる籠。縦長の構図に配される少女たちの幸福感に溢れる表情や生命感に満ちた躍動的な描写、繊細かつ輝きを帯びた優美な光や春風を感じさせる表現なども本作の大きな見所のひとつである。
【摘み取った桜桃を入れる籠】 |