Description of a work (作品の解説)
2007/07/07掲載
Work figure (作品図)
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浴女たち(ニンフ)

(Les baigneuses) 1918-1919年
110×160cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワールが最晩年に手がけた傑作『浴女たち(ニンフ)』。ルノワールが死去する前年に手がけられた、画家の絶筆でもある本作は、ロシア系のモデルで、息子ジャンの最初の妻となるアンドレ・ヘスリング(通称デデ)をモデルに複数体の裸婦像を描いた作品で、神話的(又は理想的)場面描写が顕著となる画家の晩年期の作品においても、特に秀逸な出来栄えを示す作品のひとつであり、画家の衰えぬ創作意欲と探究心を強く感じさせる。楽園的な田園風景の中に、ジョルジョーネルーベンスゴヤなど古典以来、幾多の巨匠たちが手がけてきた裸婦像から着想を得て創作した本作の裸婦による群像構図、特に前面で横たわる、あきらかに巨大化された二体の裸婦の表現は、ルーベンスのそれを強く思わせる豊満で肉感に富んだ肉体で表されている。また自由奔放かつ芳醇な筆触による多種多様な色彩は観る者の眼を惹きつけるだけでなく、画家が追求した理想的な裸婦(ヴィーナス)が在る情景(風景)を斬新かつ効果的に表現している。ルノワール自身、本作を特に重要視していたことが知られており、画家は本作に対して「生涯において探求した絵画表現の融合的(総合的)作品」と言葉を残しており、生涯最高の作品と位置付けていた。


【全体図】
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大地に横たわる裸婦。ルノワールが死去する前年に手がけられた、画家の絶筆でもある本作は、ロシア系のモデルで、息子ジャンの最初の妻となるアンドレ・ヘスリング(通称デデ)をモデルに複数体の裸婦像を描いた作品である。



【大地に横たわる裸婦】
豊満で肉感に富んだ肉体。ルーベンスのそれを強く思わせる豊満で肉感に富んだ肉体で表されている、あきらかに巨大化された二体の裸婦の表現に、画家の衰えぬ創作意欲と探究心を強く感じさせる。



【豊満で肉感に富んだ肉体】
後景で水浴する裸婦たち。神話的(又は理想的)場面描写が顕著となる画家の晩年期の作品においても、特に秀逸な出来栄えを示す作品のひとつである本作は、画家自らが生涯最高の作品と位置付け重要視していた。



【後景で水浴する裸婦たち】
神話を思わせる楽園的な田園風景。自由奔放かつ芳醇な筆触による多種多様な色彩は観る者の眼を惹きつけるだけでなく、画家が追求した理想的な裸婦(ヴィーナス)が在る情景(風景)を斬新かつ効果的に表現している。



【神話を思わせる楽園的な田園風景】

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