2007/03/14掲載
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ぶらんこ(La balançoire) 1876年92×73cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)
庭園内のぶらんこに乗る女。本作は、当時ルノワールが借りていた家(コルトー街12番地)の≪ぶらんこ≫のある大きな庭園で過ごす人々を描いた作品で、主人公となる≪ぶらんこに乗る女≫は『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場』にも登場する若き女優ジャンヌをモデルに描かれたと推測されている。
【庭園内のぶらんこに乗る女】
斑点状のやや荒いタッチによる光の効果的な描写。本作でルノワールは木々の間から射し込み移ろう斑点状の木漏れ日の作用による光の変化や、補色的・対称的・相乗的な色彩描写の効果を追求しており、特に画面全体を覆う大きめの斑点状のやや荒いタッチによる光の効果的な描写は秀逸である。
【斑点状のタッチによる光の効果的描写】
本作に示される対比的な色彩表現。ぶらんこの女の衣服の白色と青色、隣で背を向ける男の濃紺の衣服と黄色の帽子を始めとした補色性、対称性、相乗性など対比的色彩表現が本作に示されているのも注目に値する。
【本作に示される対比的な色彩表現】 |