2009/05/10掲載
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森の中の浴女たち(Bathers in the forest) 1897年 73.3×99.7cm | 油彩・画布 | バーンズ・コレクション
水浴を楽しむ裸婦の輝くような肌の色彩。19世紀末に制作された本作は、画家が最も重要視していた主題であり、最も精力的に取り組んでいた創造力の源でもある≪裸婦≫の群像構成として制作された作品である。
【水浴を楽しむ裸婦の輝くような肌】
髪を整える裸婦の姿。本作に描かれる人物は視線や姿態などで互いの関係性を紐付けており、これら人物の群像構成には古典的な伝統性の側面も見出すことができるが、むしろ裸婦そのものの美しさや自然的官能性をより高位に表現しようとした結果であるとも考えられる。
【髪を整える裸婦の姿】 強く苛烈的な印象を観る者に与える幻想的な色彩。画家は本作を手がける以前から『岩に座る浴女』や『髪長き水浴の乙女(長い髪の浴女)』、そして『横たわる裸婦(泉)』など単身の裸婦作品を数多く手がけており、本作にはそれらの統合的作品としての意味合いだけではなく、さらにはそこからの発展を目指していることも見出すことができる。
【幻想的な色彩】 |