2004/09/01掲載
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風神雷神図屏風(Wind God and Thunder God Screens)17世紀(江戸時代) 各169.8×154.5cm | 2曲1双・紙本金地著色 | 京都 建仁寺 関連:尾形光琳筆 『風神雷神図屏風』 関連:酒井抱一筆 『風神雷神図屏風』
風を操りながら舞い降りる風神。17世紀初頭の京の豪商ウツダキンノリの依頼により制作されたと推測される本作は、俵屋宗達の代表作として古来から伝えられると共に、風神・雷神の形象を決定付けた作品でもあるが、作品に関する記録や文献はおろか、画面に款記も印章も残されていない。
【風を操りながら舞い降りる風神】
力強く雷太鼓を打ち鳴らす雷神。豪華で目を惹く屏風一面の金箔は平面的かつ装飾的でありながら、画面に無限性を秘めた宇宙的な立体的空間を観る者に感じさせるほか、対をなす神の姿を調和と均整を感じさせる白色(雷神)と緑色(風神)で描いたことは、宗達の並外れて優れた色彩感覚の表れである。
【力強く雷太鼓を打ち鳴らす雷神】
たらし込み技法を用いた黒雲の表現。黒雲に乗り風を操りながら舞い降りる風神。銀泥と墨によるたらし込み技法を用い描いたと考えられる風神・雷神の乗る黒雲の表現は質量感に溢れ、金箔による宇宙的な空間感覚をより一層強調している。
【たらし込み技法を用いた黒雲の表現】 |