2009/01/02掲載
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雪中梅竹遊禽図襖(Bamboo and plum tree in the snow) 1634年 各191.3×135.7cm | 四面・紙本淡彩金泥引 | 名古屋城 関連:『雪中梅竹遊禽図襖』全体図/左隻拡大図/右隻拡大図 関連:狩野永徳作 『檜図屏風』 雪が降り積もる老梅の太い幹。探幽33歳の時に手がけられた本作の老梅の幹から中腹、そして枝の先端にかけて二等辺三角形が、画面の中に品良く納まるように形成されており、画面右側の垂直に延びる若梅の枝と見事に呼応している。
【雪が降り積もる老梅の太い幹】
画面左側下方へ向かって緩やかに伸びる老梅の枝先。現在、国の重要文化財に指定されている本作は、名古屋城に徳川家光が上洛の途中で立ち寄った時の迎賓の部屋として新築された≪上洛殿三の間≫の装飾襖の北側4面として、1634(寛永11)年に制作された作品である。
【緩やかに伸びる老梅の枝先】
老梅の枝先から飛び立つ一匹の小禽。画面最左には老梅の枝先から飛び立ったのであろう一羽の小禽が描かれているが、振り向くような仕草を見せる小禽の視線は、老梅の枝先と交わるように描かれており、空間的な誘引を導き出している。
【枝先から飛び立つ一匹の小禽】
詩情性と緊張感を高める余白部分。小禽と老梅の枝先の上下、そして画面右側の奥(遠景)へと飛び去る小禽の上部には余白空間が十二分に満たされており、本作の詩情性を強調させる効果を生み出しており、これこそ絵師が築き上げた独自の美の世界観そのものである。
【詩情性と緊張感を高める余白部分】 |