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キリストの降誕と聖エリサベツと幼児聖ヨハネ 1512年頃
(Nativita con i santi Elisabetta e Giovannino)
77×99cm | Oil on panel | ミラノ, ブレラ美術館 |
クレスピ・コレクションの旧蔵で、現在はミラノのブレラ美術館が所蔵するコレッジョ初期の作品『キリストの降誕と聖エリサベツと幼児聖ヨハネ』。大地に簡素なシーツを敷き、その上に寝かせられる生まれたばかりの幼きイエスと、傍らで我が子を見つめる、敬虔な聖母マリアを中心に、左には従姉であり、洗礼者聖ヨハネの母でもある聖エリサベツと、その胸に抱かれる幼き洗礼者の姿を、右には聖母マリアの夫である聖ヨセフを配した構図を取る本作は、若きコレッジョの特徴である、マンテーニャやドッソ・ドッシ、レオナルド・ダ・ヴィンチの影響が認められている。静寂な大地に抱かれる救世主の幼き姿は、世界の絶対者であることを示しているほか、我が子を傍らで見つめる、敬虔な聖母マリアの身にまとった真紅の衣服がレオナルド・ダ・ヴィンチの影響と考えられる夕闇に沈む黄昏の背景の中で、際立つ存在感を示している。
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